ジェラシー
あいつが誰かと話すたび
あいつが誰かに触れるたび
何だか無性に腹が立つ
要するに
嫉妬
してんだ
ジェラシー
「ジャリンコピカチュウ発見!行くわよあんた達!」
「「「ラジャー!」」」
ムサシの台詞に、二人と一匹はビシッと敬礼した。
「お待ちなさい、ジャリボーイ!!」
「「「ロケット団!!」」」
突然現れた人物に、サトシ達はとりあえず声をあげた。
ロケット団の登場はいつものことでありお約束であるが、こう叫ぶのもまたお約束である。
「サットシ〜〜!!」
そしてがサトシに抱きつくのもお約束であり、それを見たコジロウの機嫌が悪くなるのもお約束である。
「は、離せって〜!」
「!!そいつは敵でしょうがバカ!!」
「えー…だってー…って言ってる間にピカチュウゲット〜!!」
油断したサトシの肩から、はピカチュウを奪い取った。
「あぁっ!!!ピカチュウ!!」
「はい!ピカチュウゲッ…。」
「ピカチュウ、デンキショックだ!!」
はにっこり笑って、ムサシにピカチュウを差し出した。
すぐさまサトシは、ピカチュウに技の指示をする。
「ピ〜カ〜チュ〜!!!」
「いや〜〜!!ビリビリ〜〜!!」
「ここ、こっちに投げるんじゃないにゃ〜!!」
「ぎゃ〜〜〜!!」
「とどめの10万ボルト!」
「ピ〜カッ…ヂュ〜〜!!!」
「「いやーー!!」」
「「うぎゃーー!!」」
「「「「ヤナカンジ〜!!!」」」」
「さ〜よならさ〜ん!」
カスミの声が、遠く聞こえた。
「ホントに役立たずなんだからあんたは!」
「ごめんなさ〜い。」
ガミガミと怒鳴るムサシに、は笑って頭を下げた。
「はぁ…本当に反省してるのかしら。」
「だけの問題じゃあないにゃ…。」
ニャースはムサシを見てボソリと呟く。
「何か言った!?」
「にゃ、にゃ〜んにもないにゃ〜。」
ニャースがそう言った後、ムサシはコジロウの方をチラリと見た。
「……全く、世話がやけるわねえ…。」
ムサシは小さく呟くと、の耳元で何かささやいた。
「……え?」
「さぁニャース、お腹が減ったわ。木の実か何か探しに行くわよ。」
「にゃ…?わ、分かったニャ。」
森の奥へ歩き出したムサシを、ニャースは追いかけた。
「ねー…コジロウ〜…?」
二人が行った後、はコジロウを恐る恐る呼んだ。
「…何だよ。」
「怒ってんの…?」
「…は?何で。」
「えー……分かんないけど…。」
明らかに不機嫌な表情のコジロウに、は不安そうな表情を浮かべた。
「コジロウ〜…?」
「だから何だよ。」
「嫉妬してんの…?」
「はぁ!?」
コジロウの大きな声を聞き、は一瞬ビクついた。
「だだ、だって…ムサシが言ったもん…。ねぇ、サトシに嫉妬してるのー…?」
「何で俺があいつに嫉妬しなきゃなんねぇんだよ。」
「えー…だ、だからさ!サトシはただの幼なじみよ!私はコジロウがいっち番好きなん…。」
「嫉妬なんかしてねぇって言ってるだろ。誰がお前みたいなうるさい女好きになっか。」
必死に説明するに、コジロウはさらりとそう言ってみせた。
の目に、わっと涙が浮かぶ。
「……な…何よ!!コジロウのバカ!!ドジでマヌケのひ弱野郎ッ!!」
「あぁっ!?何だと!?」
「バカバカバカバカバカーーーッ!!!」
は、泣きながらどこかへと走って行った。
「お、おいッ…!」
慌てて追いかけようと立ち上がったその足は、少しして止まった。
コジロウは再度草に座り、ボソリと呟いた。
「…はぁ……ガキだよなぁ………俺…。」
「そうねえ、ホーントにガキよね。」
「…!?む、ムサシ!?」
気付くと後ろに立っていたムサシに、コジロウは後ずさりした。
「何ボーっとしてんのよ、追いかけなさい!」
「は…な、何で俺が…。」
「こちゃごちゃ言わずにいってらっしゃーいッ!!!」
「はは、はいーッ!!」
ムサシの怒鳴り声に怖じ気づき、コジロウはを猛スピードで追いかけた。
「はぁ…はぁ…っ!!」
「…………。」
コジロウは、木の下に一人座っていたの名を呼んだ。
「おい……悪かったって…。」
「…………。」
コジロウはの元に歩みより謝るが、は口をつむいだままである。
「…悪かったって…。」
「…………。」
「……はぁ…。」
溜め息をついた後コジロウは、の前にしゃがみこんだ。
「……………何…。」
が言い終えない内に、コジロウはを抱きしめた。
「…………!?」
「悪かった、。」
「ちょ、ちょっと…!わ、分かったから離し…。」
またもが言い終えぬ内、コジロウはにそっと口付けた。
「…………っ!?」
「好きだ、。」
「え…な…何言って……。」
「これじゃあ許してくれねぇの?」
「えっ!?あ、ゆ、許す!!許すから!!」
は慌ててそう言った後、小さく深呼吸した。
「……私も、ごめんね…コジロウ…。」
「うん、俺も…ガキだった、悪い。」
「…ね、私…うるさい女なの…?」
「は?そ、そんなわけねぇよ!」
「…ひ弱野郎って言ってごめんね。」
は、にたっと笑いながらそう言った。
「大好きだからね。一番大好きだからね、コジロウ。」
「お、おう。サンキュ。」
コジロウは嬉しさにほころぶ顔を隠し、短くそう言った。
お約束の2つが、消えた。
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コジロウが大事そうにギューッて抱きかかえる、
チリーンに激しく嫉妬。
抱きかかえるその手がさ、
ちょっと女っぽくて可愛いんだけど、
抱きかかえられてる、
チリーンに激しく嫉妬。
まぁロケット団が新ポケ使ってること自体、
腹立ってんだけどね。
ソーナンスはいいのよ。
いやそれよかさ、この夢終わってるかも。
黄色い薔薇の花言葉は嫉妬ですって。