スマイル



こらえきれずに今流した君の涙が光って。


それでも変わらずに気ままな風は胸を揺さぶるよ。





強がる必要なんてないんだよ。


お前はただ笑ってろ。











スマイル










久々にカントー本部に戻った俺達。


ムサシ達とは一旦別れることになり、俺は技術開発部の部屋へと足を進めた。


俺は、そっとその扉を開く。




「お…えーっと誰だ…コジロウか。」


「あぁ……は…どこにいるかな…?」


「んー?あぁ、開発部小部屋にいると思うよ。」


、もう2ヶ月くらい閉じこもってるんじゃない?大丈夫なのかしら。」


「え……2ヶ月…?」


「うん、あの子熱心だからねー。それに、私よりずっと若いのに頭もいいし…。」


「オマケにそこらへんのと違って可愛いしなー、へへ。」


「ふん、何よそこらへんって。どうせ私みたいなおばさん…あ、の所へ行くの?」


「え…あぁ。」


「入れてくれないと思うぜ?気が散るからって。」


「………行くだけ行ってみるよ。」


「そうか。じゃあな。」





が心配で仕方なかった。


あいつは頑張りすぎなんだ。



俺は、部屋から出ると一番端の部屋へと急いだ。






"入れてくれないわけないでしょー?あの子コジロウ君にベタ惚れなんだから。"


"ちぇ、どうせ俺なんてこれっぽっちの可能性もないさ。"






















コンコン。



「すみません、気が散るのでまたにして下さい。」



俺が扉を叩くと、その返事が即答された。


「俺だよ。」

「誰です。気が散るのでまたにして下さい。」

「コジロウだ。」

「…………え?」


機械音でよく聞こえなかったが、恐らく驚いたのだろう。


このところは、画面越しにしか話もしていなかったからな。


…いや、ろくに会話さえしてなかったかもしれない。



「開けてくれ。」


「……気が散るので、またにして下さい。」


「………ずっとここで待ってるよ。」


「…………………。」



の返事がないのを確認し、俺は扉の横の壁に座り込んだ。















「はぁ…まだやってるのかよ…。」



あれから約2時間経ったが、未だに機械音が鳴りやまない。


俺もよく座ってられるよな、こんなとこに。



ギュイーン……ンンンー…。



やっと止まった。


俺は、再度扉を叩く。



〜。もういいだろ?開けてくれ。」


「え…ちょ……ず…ずっといたんですか…!?」


「待ってるって言っただろ。」


「………こ…コジロウさん……。」




は、呆れたような、困ったような、そんな口調で俺の名を呟いた。


俺、もしかして迷惑だったりする?




ガチャ。


俺が考えていると、部屋の扉が開いた。


「……ごめんなさい、本当に待っていて下さるなんて思わ…。」


「いいから、入れてくれよ。」


「……………。」



俺は、金属だらけの部屋へ足を踏み入れる。

扉の閉まる音が、やけに大きく響いた気がした。






ザッとがカーテンを開けた。

赤い夕陽が差し込む。


は可成り眩しそうに目を閉じた。


「ずっと閉めてたのか?」


「光が当たると、逆光で作業がはかどらないんです。…そこ、座って下さい。」


俺は、の指さしたソファへ腰を下ろす。


は、ずっと座っていたのだろう床に座った。


「こっち座れよ。」

「ここでいいんです。」


「……お前、2ヶ月もここにいるって?」

「………誰に…聞いたんですか。」

「開発部室にいた人。」

「……あぁ………。」

「本当か?」

「……本当ですよ。」



俺は、思わず眉をひそめた。



「ちゃんと食ってるのか?」


「………3日に一度は食べてますよ。」


「はっ…3日に一度!?」



そ…そりゃ俺達だって1週間食えないときもあるけどさ…。



「何でちゃんと食わないんだよ。」


「忙しいんです。」


「そんなこと関係あるかよ…!ちゃんと食えよ…!」


「仕方ないじゃないですか、忙しいんですから…。」



は、そう言って目を伏せた。


よく見れば、何となく顔つきが違う。


ろくに食べてないせいだろう、顔も痩せてきている。

睡眠だってちゃんととってないんだろう、クマが酷い。




そんなを見てると、どうも悲しくなってきた。



。」

「何ですか…?」

「こっちこい。」



トーンの低い声で言えば、はおとなしく言うことを聞く。

言ったとおり、はふらふらとこちらへ歩いてきた。


「なん…ですか…?」


「バカヤロウが。」



俺は、細いの体を抱きしめた。


脆くて、壊れそうだ。




「こんな体で、開発もなんもねぇだろ。」



見えないけれど、の驚いたの顔は想像できた。



「何でそんなに自分を強く見せるんだよ。」


「……………。」


「弱さを隠す必要なんてどこにあるんだよ。お前はそのままでいいよ。」


「コジロウ…さん…。」





お前は頑張りすぎだ。




強がるな。


そのままでいいんだよ。


堂々としてろよ。








は、頬に涙を伝わせた。







"こえきれずに今 流した君の涙が光って"





カタン…と音を立て、窓が開いた。


風に吹かれ、カーテンが揺れた。








「笑ってろよ、。今のは、じゃない気がする。」


「……………。」


「逃げたって、何にも失わない。」


「………コジロウ…さん…。」


「不安なら、俺が守ってやる。」







今は見えなくても、確かに君の胸の中にある。











「ありがとう、コジロウさん。」


「あ…?」


「来てくれて、嬉しかった。」


「……あぁ。俺、迷惑かと思ったよ。」


「……そんなわけ、ないです。」












「なぁ。何か、食いに行こうぜ。」


「……………はいっ。」




は、薄く笑った。



その笑顔が、とても愛しかった。







また元通りに笑えるように。








何かを信じぬく強さは君の、笑顔を待ってる。


















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ポケソング歌夢。
終わってますマジで。
つーかホント、
三木さんボイス最高。


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